会誌「電力土木」

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特集〜保守・管理 その他

風力発電施設の振動挙動計測の試み

 

柏 柳 正 之 電源開発? 技術開発部 茅ヶ崎研究所 特任研究員 博士(工学)
依 田 昌 宏 ?J-POWER ビジネスサービス 社会環境部

 近年,多くの風力発電施設(以下風力施設という)が運用されている。原位置におけるこれらの挙動特性の知見は少なく,今後のさらなる開発や安全運用上,積極的に取り組むべき課題と考えられる。本稿は既存の風力施設の挙動として最も基本的なナセル部の振動挙動を計測した事例を報告する。計測では,加速度計測および GPS 自己相対単独測位法を適用する変位計測を実施した。風力施設の振動挙動は,ナセルおよびタワーの構造体としての基本振動周波数,風車の回転数に依存する周波数,さらに発電機器の運用に起因する周波数により特徴づけられる。振動振幅は風速の増減に対応して線形的に変化し,一定以上の風速時では風車の制御が行われ,付加的な振動振幅が発生する。風による流体力によって風向と直交方向にも顕著な振動が発生する。変位評価法として適用した加速度変換および GPS 自己相対単独測位法は,どちらも同じ結果を示し,風力施設の変位計測法としての適用性が検証された。

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