松田 智行
九州電力(株) 耳川水力整備事務所 ダム計画・工事グループ
藤原洋一郎
九州電力(株) 耳川水力整備事務所 ダム計画・工事グループ
大塚 拓
(財)電力中央研究所 構造工学領域 コンクリート工学グループ
概 要
西郷ダム改造工事では,既設堤体を一部切り下げて,上流から流入する土砂の流下を促進させる新設洪水吐を構築する。新設洪水吐はピア部と堤体部からなり,RC 構造であるピア部が大部分を占めるため,全体を配合区分せず,構造用コンクリートの単一配合とした。また,既設堤体に新設コンクリートを打ち継ぐため,既設堤体との一体化による外部拘束があることや,隅角部を含む複雑な構造になることから,温度応力対策として,発熱を抑制する使用材料の選定および配合設計を行った。
さらに,打設数量が少ないことから,現地専用バッチャープラントの新設ではなく,近傍の生コンプラントを改良してダムコンクリートを供給することとしており,現場配合および品質管理項目を決定するため,施工条件を考慮した実機プラントによる現場配合試験を実施した。
本稿では,ダムコンクリートの現場配合決定のための室内試験および温度応力解析,並びに現場実機試験結果を踏まえた品質管理項目について報告する。
キーワード:ダム改造,ダムコンクリート,フライアッシュ,温度応力解析,配合試験
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