会誌「電力土木」

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総説

木材の地中利用による国土強靭化と地球温暖化緩和策

 

原  忠  高知大学 教育研究部 自然科学系理工学部門 教授

 近年,地球温暖化の影響により気象災害が激甚化し,その頻度が増している。国土保全の観点から気候変動緩和策は喫緊の課題であり,2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが進められている。温室効果ガスの具体的な削減策として,国土交通分野では,住宅や建築物などの省エネ化強化や都市のコンパクト化,スマートシティの推進などによる低炭素化に向けたまちづくりなどが提案され,建設業においても一層の省エネ化,脱炭素技術の開発・普及が求められている。筆者らは,地球温暖化対策と国土強靭化を両立するための具体策として,森林資源を活用した地盤改良に着目し,丸太を地中に打設し地盤を締固める丸太打設&カーボンストック工法を実用化した。本稿では,我が国の森林資源の現状と木材の地中利用の歴史を構造物の基礎や地盤改良の観点から概説し,対策工法の概要と,長期間地中に埋設された木杭による地盤改良効果の具体例を紹介する。

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