会誌「電力土木」

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論文

完全越流を対象とした 3 次元流体解析によるダム越流係数算定手法の検証

 

熊谷  洋

東北電力? 研究開発センター 電源・環境グループ 研究主任

門脇 和彦

東北電力? 研究開発センター 電源・環境グループ 主幹研究員

板井 雅之

東北電力? 原子力本部 原子力品質保証室 副室長

 一般にダムの越流係数は,既往水理公式や水理模型実験により設定されている。越流係数の設定にあたっては水理模型実験が有力な手段ではあるが,費用,時間を要する事が問題である。また,近年気象激甚化により数十年から数百年に一度の洪水現象が全国各地で頻発しており,設計洪水量を超過するような出水があった場合,事業者は速やかに洪水現象に係る評価が必要である。上記課題解決のため,完全越流を対象とした 3 次元流体解析によるダム越流係数算定手法の開発を行い,過去に実施したダム越流係数算定に係る 2 次元および 3 次元水理模型実験結果と比較検証を行った。その結果,ダム構造諸元,上流河床影響ならびに流量にかかわらず,水理模型実験と同等の精度でダム越流係数算定が実施可能であることを確認出来た。また,上流地形の影響を強く受けるダム水位計位置におけるダム越流係数の再現性を確認するため,上流地形を 3 次元的に再現することで接近流速による水頭補正が不要となるダム越流係数解析も試行し,3 次元水理模型実験の代替に係る知見を得た。

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