会誌「電力土木」

目次へ戻る

総説

ダム堆砂対策による河川生態系の応答に関する事例紹介

 

糠澤  桂

宮崎大学 工学部 社会環境システム工学科 助教

鈴木 祥広

宮崎大学 工学部 社会環境システム工学科 教授

 ダム堆砂対策として,機械掘削や排砂,排砂バイパス,通砂などが運用されている。本稿では,これら運用の河川生態系へのインパクトを評価した近年の研究事例について紹介する。また,宮崎県耳川において2017年から開始した通砂運用による河川生態系への影響について速報的に調査結果も紹介する。排砂による負の影響は,短〜中期的であることが多く,底生動物の例では運用後数か月〜数年で回復することが報告されている。排砂バイパス運用による影響は,底生動物個体数で見ると明瞭では無いものの,運用期間が長いほどダム上流の種構成に類似することが報告されている。宮崎県耳川における2017年から開始した連携通砂の例では,短期的(〜数か月)にみると,底生動物の分類群数および種構成に大きな影響はないことが示唆された。

ホームページ上では、「概要」のみを掲載しております。

     
     
ページのトップへ