会誌「電力土木」

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でんたん

第32回 奥清津・奥清津第二発電所と二居・カッサダム(電源開発株式会社)

 

 奥清津・奥清津第二発電所は長野県・新潟県を通り日本海へそそぐ信濃川の支流である清津川上流に位置し,清津川支流のカッサ川にあるカッサダムを上池,清津川の二居ダムを下池とする純揚水発電所です。有効貯水容量1140万 m3,最大出力は合わせて160万 kW を誇り,発電された電力は500 kV の送電線を使用して関東圏へ送電されています。
 奥清津発電所は1978年に 1・2 号機の運転が開始され,その 4 年後の1982年に 3・4 号機も運転開始となりました。
 その後,電力需要の高まりに合わせて増設工事が計画され,1996年に奥清津第二発電所 1・2 号機の運転が開始されました。
 運開当初は日中のピーク需要に合わせて発電し,夜間は原子力発電所の余剰電力を利用して揚水を実施して翌日の需要に備えるという運用がなされていましたが,現在は増加する太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用した発電によって生じる電力供給量の過不足を調整する新しい役割も見出されており,電力の安定供給に貢献しております。
 また,奥清津第二発電所は『開かれた発電所』をコンセプトに建設されており,発電設備の一般見学が可能な体験型施設(OKKY ミュージアム)となっております。ミュージアム内には水力発電所や揚水発電の仕組みを紹介した展示ルームもあり,二居ダム周辺の散策もできることから,観光スポットとしても親しまれています。
 二居ダム上流には日本最長のゴンドラである“ドラゴンド
ラ”も運行しており,紅葉のシーズンになると鮮やかに色づく山々と静かにたたずむエメラルドグリーンの二居調整池を楽しむことができます。ドラゴンドラの山頂駅周辺はハイ
キングコースとして整備されており,一般道からはアクセス
できないカッサ調整池を一望することができるため,発電所・ダム・観光と湯沢町の大自然を堪能することができます。

     
     
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