会誌「電力土木」

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技術情報委員会だより

〜水力技術百年史の紹介〜 <水路工作物:取水口>

 

1. 取水口の概要と歴史
 水力開発初期は,水路式発電所が大部分を占めており,最大使用水量は渇水量を基準とし,取水ダムを構築して取水する方式が採用されていた。取水設備は無圧式取水口であり,河川直角方向に側方取水型式を活用していた。
 大正時代に入り,産業の発展や長距離送電技術の進歩から,水力開発規模も拡大され,取水量も河川の平水量を基準とするようになった。この時期にはダム式発電所が建設され始めたが,利用水深が浅いため,変わらず無圧式取水口の採用が一般的であった。
 昭和初期の第三次水力調査以降,水路式発電所に加えて,調整池や大容量の貯水池を有するダム式発電所の開発が活発となり,圧力式取水口が採用されるようになった。なお,圧力式取水口が設置されているダムは規模が大きく,水深が深いため,土砂流入の恐れが少なく,取水口はダム上流面に直接設置されるダム併設型および地山の斜面に設置される傾斜型や取水塔型が採用された。

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