会誌「電力土木」

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講座

電力土木技術者のための電気技術―第 2 回 基幹系統安定化の基本的な考え方と事例の紹介―

 

吉村 健司

?電力計算センター 代表取締役(前 (一財)電力中央研究所 システム技術研究所 研究参事)

1. はじめに
 第 1 回「はじめに」では,電力系統の構成やネットワークとしての特長,電力系統の安定性維持のための要件などを概説した。我が国の電力系統は北から南まで連系された巨大なネットワークであり,その需給バランス(発電量と消費量のバランス)が崩れると,場合によっては大規模停電のリスクが増大するということも事例により示した。ここで大事なことは,電気の消費に対して発電量は足りなくても余り過ぎてもいけない,ということである(第 1 回で示した停電事例は発電量が足りなくなった場合の例)。
 本稿では第 2 回として,基幹電力系統の安定化の基本的な考え方を概説し,事例を紹介する。電力系統の各エリアでは,平常時の需給バランスや電圧等を正常に保つことだけでなく,何らかの事故が系統に発生した時でも大規模な停電に至らないよう様々な緊急的な措置が講じられる(信頼度制御と呼ばれる)。2 章ではこの信頼度制御の概念を,3 章では具体的な制御方式の一例を示す。

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