会誌「電力土木」
解説
ISO 55001
アセットマネジメントシステムに対する ISO 規格(ISO55001)が平成26年 1 月に発行された。アセットマネジメントシステムとは，組織の資産(アセット)をライフサイクルを通して，コスト，リスク，パフォーマンスのバランスを保ちながら最大の可用性と収益性を確保するための仕組みであり，ISO55001は，組織の資産管理体制の構築，実施，維持，改善のための要求事項を規定した国際規格である。ISO55001には，マネジメントシステム規格の共通構造が採用されており，他の規格同様，PDCA サイクルに基づく継続的改善が求められているが，マネジメントの対象となる期間が長期になるという特徴を有している。我が国においては，国土交通省が下水道分野を対象に試行認証の公募を行い，地方公共団体(仙台市)と民間事業者(?水 ing)が平成26年 3 月に認証を取得した。今後，世界的な規格の普及により，海外インフラ案件への入札参加要件として，ISO55001認証の取得が要求される可能性も大いに考えられることから，積極的な導入が望まれるところである。
参 考 文 献
・公益財団法人 日本適合性認定協会 HP https://www.jab.or.jp/
・JACO(総合認証機関)HP https://www.jaco.co.jp/content/210000.htm
・国土交通省 HP http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000296.html
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水力発電新技術活用促進事業費補助金
国内の既設水力発電所は運転開始から40年を超え，設備更新の時期を迎えているものが約半数を占めており，最新技術を用いた設備への更新や改造を行うことで，小さな環境負荷で，出力及び電力量の増加を図ることが可能である。
既存の発電所における設備更新や改造に係る調査及び工事等に要する経費に対して補助することにより，既存の設備の有効利用を図り，再生可能エネルギーである水力発電の最大限の導入を促進し，安定かつ適切なエネルギー需要構造の構築を図ることを目的としている。
【交付の対象】
(1) 水力発電設備更新等事業
?既存設備調査事業
既存水力発電所(揚水を除く。以下同じ)の増出力または増電力量の可能性を調査する事業
(土地，建物，構築物(えん堤，取水口，導水路等)の更新等)
?既存設備更新工事等事業
既存水力発電所(揚水を除く。以下同じ)の増出力または増電力量を図る設備更新又は改造を行う事業(固定価格買取制度を適用するものを除く)
(概略設計，出力増強等を図る試験に要する外注費等)
(2) 水力発電実証モデル事業
水力発電の高効率化やコスト低減に資する発電設備の制作，実証を支援
参考資料 一般財団法人新エネルギー財団 ホームページ
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フェイズドアレイ超音波探傷法
フェイズドアレイ超音波探傷法(以下，フェイズドアレイ法)は，医療用腹部エコー診断機器等と同様な測定原理を持ち，図 1―1 及び図 1―2 に示すように，探傷結果を測定対象物内部の断面画像(探傷画像)として得る手法である。このため，従来の超音波探傷法に比べて損傷の位置や大きさ，形状を推定しやすく，損傷状況の全体像をイメージしやすいという特長があり，近年の信号・画像処理機器の高度化，小型化と相まって，非破壊検査への導入が進んでいる。
従来の超音波プローブは 1 つの振動子(圧電素子)で構成されるが，フェイズドアレイ法のプローブは列状やマトリクス状に並んだ多数の振動子により構成される。図２に示すように，個々の振動子が超音波を送受信するタイミングを制御し，合成された超音波波面を形成することで，超音波の入射方向や焦点距離を自由に変えた探傷を 1 つのプローブで行うことができる。このため，フェイズドアレイ法は，従来の超音波探傷法ではプローブを十分動かすことができない等の理由で探傷が困難だった狭隘部や埋設部への適用も可能である。
出典：
・1) 非破壊検査フェイズドアレイ特集号，日本非破壊検査協会，2007.10
・2) フェーズドアレイ超音波探傷法，エネルギア総研レビュー，No. 28, p10
・3) 新日本非破壊検査株式会社 HP
・http://www.shk-k.co.jp/business/nondestruct/ut/ut32.html
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図 1―1 鋼材断面写真
図 1―2 フェイズドアレイ法探傷画像
図２ フェイズドアレイ法の概要
