EUE(EUE 算定)

 EUE(Expected Unserved Energy)はある期間における供給力不足の電力量の期待値(単位:kWh/年)を指す。算定方法は,各エリアの供給力を設定し,その供給力を基に他エリアからの連系線効果(融通量)も考慮の上,1 年(8760時間)で確率的に需要変動や計画外停止が発生した時の停電期待量(全試行回数の停電量の平均値)を算定するものである(図―1参照)。広域的に供給力を融通し合い停電期待量を算定しているが,連系線が混雑している場合は他エリアからの供給力に期待できず停電期待量が多くなるため,連系線が混雑しているエリアは広域調達の可能量は限定的となる。今年 3 月に発生した東日本エリアの需給ひっ迫を受けて,電力・ガス基本政策小委員会において需給ひっ迫の要因分析が行われ,EUE 算定のあり方に影響を及ぼす事象・論点が示された。中でも,先般の需給ひっ迫が高需要期以外で発生したことは,EUE 算定において,稀頻度の事象をどこまで考慮すべきかという非常に判断が難しい問題提起となった。現在,調整力及び需給バランス評価等に関する委員会などで上記を含めた諸課題について検討が進められている。

参 考 文 献

電力広域的運営推進機関 HP
   https://www.occto.or.jp/oshirase/sonotaoshirase/2021/210701_chouseikoubo_sankou.html

電力・ガス基本政策小委員会
   https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/052_04_06.pdf

調整力及び需給バランス評価等に関する委員会
   https://www.occto.or.jp/iinkai/chouseiryoku/index.html



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