フラッシュフラッド

 フラッシュフラッドとは突発的に発生する出水のことであり,発生からピークに至る時間や,現象の継続時間が短い特徴がある。その発生原因はさまざまであり,短時間の豪雨や,河道閉塞が形成され,それが決壊して発生する貯留を伴う流出現象が代表的である。
 フラッシュフラッドは一般的に鉄砲水や山津波と表現されるが,土砂や流木を伴う土石流も範疇に含まれる。
 現在,発生特性や発生については知見が少なく,発生予測は極めて困難である。その理由としては,継続時間が短い現象であること,局所的に発生する災害である場合が多く,現象の把握が難しいことなどがあげられる。そのため,しばしば甚大な被害を生じる。例えば,2016年に発生した台風10号によるフラッシュフラッドと河川の氾濫により,岩手県岩泉町安家地区の住宅約四割が被災し社会的な注目を集めた。
 急激な出水が予想される地域においては,河川氾濫対策を講じた土木構造物の設計施工が望まれる。

参 考 文 献

・国立研究開発法人 土木研究所 フラッシュフラッド PCR JRC
   http://www.pwrc.or.jp/yougo_g/pdf_g/y0805-P047-047.pdf

・水工学論文集 鉄砲水による人的被害の軽減に向けた考察
   http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00028/2010/54-0146.pdf



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