VEI

 VEI(Volcanic Explosivity Index,火山爆発指数)は,Newhall and Self(1982)が提案した火山の噴火規模を示す尺度であり,火山が噴火した際の噴出量に基づき定義される。噴出量が0.00001以下から1,000 km3 以上の噴火を VEI0〜VEI8 までの 9 段階に分け,数値が 1 つ増えるごとに噴出量が10倍となる。VEI は基本的には噴出量に基づくが,十分に噴出量が把握できていない場合でも,目撃された噴煙の高さや噴火のタイプ等を参考にして与えられることもある。
 VEI7(100〜1,000 km3)以上は破局的噴火と呼ばれ,社会に大きな影響を及ぼすものの,その頻度は低く,有史以降は発生していない。屈斜路カルデラや阿蘇カルデラ等の日本に分布する大規模なカルデラは,破局的噴火により形成されたものである。破局的噴火に伴い噴出した火山灰は,瞬時に広域に広がり堆積する性質を持つため,時間指標として,地質調査や遺跡発掘調査等に活用される。

参 考 文 献

町田洋・新井房夫:新編 火山灰アトラス [日本列島とその周辺],2011.
   

下鶴大輔・荒牧重雄・井田喜明・中田節也編:火山の辞典〈第 2 版〉,2008.
   

中田節也:火山爆発指数(VEI)から見た噴火の規則性,火山第60巻,第 2 号,pp.143-150, 2015.
   



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