波力発電は,波のエネルギーを利用した発電システムで,主に次の 3 種類に区分される。
(1) 振動水柱型
振動水柱型波力発電システムは,OWC(Oscillating Water Column)システムともいい,装置内に空気室を設け,海面の上下動によって生じる空気室内外の圧力差により空気タービンを回転させる方式である。日本で開発されてきた波力発電装置にはこの方式が多く採用されている。振動水柱型波力発電システムの空気タービンには,波によって生じる往復気流中でも常に一方向に回転するように設計されたタービンとして,形状や構造が簡単であるウェルズタービンが主に採用されている(図1)。
(2) 可動物体型
可動物体型波力発電システムは,可動物体を介して波の作用による運動を機械的エネルギー等に変換して発電するシステムであり,沖合に設置される発電装置の主流である。
(3) 越波型
越波型波力発電システムは,波を貯水池などに越波させて貯留し,貯水面と海面の高低差を利用して海に排水する際にタービンを回して発電する方式である(図2)。
【波力発電のポテンシャル】
世界的には,北大西洋,北太平洋,南米の南岸,南オーストラリアの海域に大きな波力エネルギーが存在している。偏西風の影響によって,一般に波力エネルギーは大陸西海岸が大きく,東海岸は小さい傾向にある。日本はユーラシア大陸の東側に位置することから,波力エネルギー密度が,諸外国と比較して大きくない。しかし,日本の周辺海域の基礎的データが十分に整理されておらず,局所的には理想的な波が得られるエリアも存在するため,今後,より詳細なメッシュデータが求められている。

参 考 文 献
・独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構:NEDO 再生可能エネルギー技術白書 第 2 版,2014年 2 月