ダムのゲートレス化

利水ダムは,出水が予想される場合や出水時,ダム水位を定められた水位に保つ運用となっており,特に,集水面積が小さいダムの場合,降った雨がすぐにダムに流れ込むことから,迅速なダムゲート操作による対応が求められている。
 これに対して,ダムへの流入量の増減に合わせ,ダム水位を維持するため,その都度ダムゲートを細かく操作しており,多大な労力を費やすとともに,ゲート操作の回数の増加によりゲート,巻上機,操作盤等への負担が大きくなり,これら機器への悪影響も懸念されている。
 このような状況の中,最近,比較的小規模なダムでは,ダム管理業務の効率化を目指し,ダムゲートを取り外す「ゲートレス化」を行い,ゲート操作を行わず自然にダムから越流させるダムへの改修が増加してきている。
 なお,ゲートレス化にあたって,設計洪水流量の見直しが伴うことやダム天端の高さの設定によっては,「ゲートレス化」する前よりダム上流の水位が高くなることもあることから,それに対応した護岸や道路等の整備も必要となってくる。

参 考 文 献



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