一般的にシェールオイルと言われているものは,石油根源岩中(石油炭化水素を発生する能力をもつ有機物に富む堆積岩で,暗灰色泥岩および頁岩など)に賦存する石油のこと。
石油根源岩が熟成すると石油・ガスが生成され,これによる体積膨張に伴う圧力の上昇を利用するなどして,ポンプ等により石油・天然ガス(在来型資源)が採掘される。しかし,採掘後もかなりの量が石油根源岩内に留まっていると見られ埋蔵量も1.7兆バレル程度と推定されている。
石油根源岩からシェールオイルを取出す方法としては,水平坑井,多段階水圧破砕技術等の方法が開発されている。
日本では秋田地域で石油根源岩である女川層の硬質頁岩層に多くの油兆(原油成分の存在を示す兆候)が見られている他,米国では2012年の生産量が日量57万バレルで石油生産量の 7%に達している。ロシアでも米国技術を導入し開発を進めている。
電力事業においては,将来の燃料としてシェールガス・シェールオイル等(非在来型資源)が開発されることにより,エネルギーの多様化による発電コストの低減,電力の安定供給につながる事が期待される。
参 考 文 献
本村眞澄 火力原子力発電(Vol. 63 No. 10)