ポゾラン反応

ポゾランとは火山灰に由来する言葉であり,ポゾラン反応とは,コンクリート中でガラス質物質(フライアッシュ,シリカフューム,火山灰等)がセメントの水和反応の進行とともに反応する現象を示す。ポゾラン反応では,セメントの水和反応により生成する水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が消費されるとされているが,これでは水酸化カルシウムが消えて無くなる反応がポゾラン反応であるとの誤認識を持ってしまう。正しくは,例えばフライアッシュのポゾラン反応の場合は,フライアッシュ粒子近傍のセメント水和物(カルシウムシリケート相(通称 C-S-H 相)ならびに水酸化カルシウム)の中にフライアッシュから溶解した Si, Al が取り込まれ,Si, Al 含有量の高い低 Ca 型 C-S-H 相に変化する反応がポゾラン反応である。このポゾラン反応の過程でフライアッシュ粒子近傍に存在する C-S-H 相の構成単位となる粒径 20〜30 nm の粒状体数が増加し,セメントの水和反応で形成された微小な空隙(水隙)が充填される。この水隙充填作用がポゾラン反応による組織の緻密化現象である。

参 考 文 献

山本武志 他:フライアッシュコンクリートのポゾラン反応に伴う強度発現メカニズムについての考察,電力中央研究所報告 N06018, 2007年 6 月
   



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