地熱貯留層

・地下に浸透した雨水が地中数 km の深さのマグマにより加熱されるが,地下の浅いところは深いところに比べて温度や圧力が低いので熱水に溶けていた成分が沈殿し,割れ目が詰まっていきます。その結果,深いところの熱水や蒸気の出口が無くなり高温・高圧の水が大量に溜まります。これを地熱貯留層といいます。
 地表からこの地熱貯留層まで穴を掘ると高温高圧の蒸気を取り出すことができます。この蒸気を使って発電するのが地熱発電です。地熱発電は国内の地熱資源を用いるという点で純国産エネルギーであり,燃料が不要のためクリーンエネルギーでもあり半永久的に利用できる利点を有しておりますが現状での地熱エネリギーの利用率は全体の僅か0.2%程度と非常に少ないのです。
 実際の地熱エネルギーの開発では地熱発電所が建設されるまでには10年以上の歳月がかかります。必要な許認可を受けつつ入念な調査,探査,評価を重ね環境影響評価を経て実際に坑井を掘削して地熱貯留層の圧力や温度,熱源からの熱の伝わり方などを確認します。また貯留層から吹き出す熱水や蒸気の温度,量を測定して坑井の能力を見極めるとともに周辺温泉に影響がないかを確認します。さらに経済的な側面での評価の際は貯留層への負担を掛けず,持続的に発電できるよう貯留槽の圧力維持と貯留層への水の補給のため地熱流体を地下に注入すること等,地下還元も考慮する必要がある。

参 考 文 献

1) 地熱学会 地熱用語集
   

2) JOGMEC 地熱資源情報
   



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