ダイナミックオーバーシュート

 ダイナミックオーバーシュートは,プレート境界型地震の震源断層において,陸側プレートが蓄積したひずみを解消する分だけすべるのではなく,それ以上に大きくすべり過ぎる現象。動的過剰すべりとも呼ばれる。
 東京大学大学院理学系研究科井出准教授らは米国スタンフォード大学と共同で,東北地方太平洋沖地震の発生プロセスについて,〆能蕕 3 秒間はゆるやかな初期破壊,⊆,40秒間は陸地方向(プレート境界深部)に向かって破壊すべりが進展,この後に海溝付近(プレート境界浅部)で約60秒間の大きなすべりが発生,ず討嗄γ亙向(プレート境界深部)へ90秒間の破壊すべりの進展の 4 段階で震源断層の破壊が進んだと解明し,2011年 5 月の米科学誌「サイエンス」に発表した。この中で,津波を引き起こしたのはの海溝付近の大きなすべりであり,震源断層に蓄積されていた力を100%解放するだけでなく,ダイナミックオーバーシュートが発生し,津波の規模を巨大化させたとしている。また,通常はほとんど発生しない陸側が海側に対してずり落ちるような地震(正断層地震)が地震直後に発生したが,これはですべり過ぎた分の“おつり”として発生したと解釈し,東北地方太平洋沖地震におけるダイナミックオーバーシュートがいかに大きかったかが示唆されるとしている。
 なお,ダイナミックオーバーシュートが発生するメカニズムについては,現状では諸説あり,各機関によって研究中である。

参 考 文 献

1) 東京大学大学院理学系研究科・理学部ホームページ
   http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/

2) NHK サイエンス ZERO 東日本大震災を解き明かす,NHK 出版,2011年 6 月
   



閉じる