ダムの事前放流

事前放流は,平成16年に国土交通省が作成した「豪雨災害対策緊急アクションプラン」に基づき,近年の異常気象に対応する緊急措置として実施することになったもので,国土交通省所管のダムにおいて,洪水調節を行う前に利水容量の一部を放流することをいう。これにより,生じた容量を洪水調節容量に転化させることができるため,ダムの計画規模を超える洪水が発生する場合や,洪水による災害が発生する恐れがある場合に,治水容量をダム計画上の容量以上に確保することが可能となる。

  事前放流の実施にあたっての基本的事項は以下のとおり。

○事前放流した利水容量を回復させることが大前提となる。
○ダム毎に事前放流実施要領を作成し,関係利水者の同意と地方整備局長等の承認が必要となる。
○実施する場合は,関係利水者に予め通知される。
○事前放流した利水容量が回復しなかった場合は,利水事業者が機能回復のために実施した措置に対し,ダム管理者が利水事業者と協議の上,要した費用を負担する。

参 考 文 献

1)(財)ダム水源地環境整備センター,リザバー2006.9秋号(第11号)
   



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